マネージャーが何を学ぶべきか|医療モデルで整理する8つのマネジメント機能

マネジメント

前回の記事では、チームの問題を「患者」に例えると、対症療法で終わらせずに原因を見る視点が持ちやすい、という話を書きました。

チームの問題解決がうまくいかない理由|対症療法をやめて原因を見る
チームの問題解決がうまくいかないのは、症状に反応して対策を足してしまうからかもしれません。看護師の視点で問題解決の方法が「対症療法」になってしまう状況を整理し、原因を見る考え方(イシュー/問題設定)をまとめました。

今回はその続きとして、マネージャーが何を学ぶべきかを、医療モデルに当てはめて整理してみます。

マネジメントは「学ぶことが多すぎて、何から手をつければいいか分からない」となりやすいです。
だからこそ、まずは全体像を一度、整理しておくと迷いにくくなります。

マネジメントを「医療モデル」で考える

マネージャーの仕事は、医療に例えると、チームという患者を診察し、問題を診断し、治療し、経過を観察し、健康な状態を維持することです。

医療とマネジメントを対応させると次のようになります。

医療モデル → マネジメント機能
• 患者観察 → 状態把握
• 症状 → サイン(兆候)
• 診断 → 問題診断
• 治療方針 → 意思決定
• 治療 → 問題解決
• 薬 → 実行手段(ツール)
• フォロー → 実行管理
• 予防 → 人材育成/チーム形成

この流れで考えると、マネージャーが学ぶべき知識が整理できます。

患者観察 → 状態把握

最初に必要なのは、チームの状態把握です。

観察するものは、例えば次のようなものです。

・モチベーション
・生産性
・仕事の進み方
・人間関係
・雰囲気
・情報の流れ

マネージャーには、チームの健康状態を把握する力が必要になります。

学ぶことの例:
・組織理解
・コミュニケーション
・観察力
・1on1
・現場理解

症状 → サイン(兆候)

発熱や痛みのように、症状は「何かが起きている」というサインになります。

組織でも同じで、

・不満が出る
・ミスが増える
・進捗が遅れる
・雰囲気が悪い
・情報共有が止まる

といったサインが出ます。

マネージャーに必要なのは、
このサインを「個別の出来事」で終わらせず、早めに拾って共有できる状態を作ることです。

サインが見えるようになると、次の「診断(問題診断)」にも進みやすくなります。

学ぶことの例:
・情報共有の仕組み
・ミーティング設計
・コミュニケーション
・進捗管理

 

診断 → 問題診断

次に必要なのが、問題診断です。

症状が同じに見えても、原因は一つとは限りません。
例えば「文句が多い」というサインが出ていたとしても、原因は

・情報不足
・不公平感
・仕事量の偏り
・役割不明確

など様々です。

重要なのは、

「目に見える症状は、原因の“結果”として出ていることが多い」

ということです。

学ぶことの例:
・問題分析
・仮説思考
・構造化思考
・イシュー特定(問題設定)

 

治療方針 → 意思決定

診断のあとに必要なのが、治療方針を決めることです。

マネジメントでは意思決定にあたります。
優先順位、方向性、役割分担、リソース配分などを決めます。

学ぶことの例:
・意思決定
・優先順位付け
・判断力
・リスク管理

治療 → 問題解決

方針を決めたら、次は問題解決です。

業務改善、プロセス改善、役割再設計など、問題に合わせた対応を行います。

学ぶことの例:
・ロジカルシンキング
・問題解決
・PDCA

薬 → 実行手段(マネジメントツール)

治療には手段が必要です。
組織で言えば、マネジメントツールです。

・1on1
・ミーティング
・目標管理
・役割整理
・評価制度
・業務改善

重要なのは、ツールには正しい使い方がある、ということです。
目的、使うタイミング、適切な方法がずれると、効きにくくなります。

学ぶことの例:
・マネジメント手法
・ファシリテーション
・1on1
・目標管理

 

フォロー → 実行管理

対策は、実行して終わりではありません。
経過を見て調整する必要があります。

マネジメントでは、進捗確認・フィードバック・改善です。
PDCAに近い役割になります。

学ぶことの例:
・進捗管理
・フィードバック
・タスク管理
・PDCA

 

予防 → 人材育成 / チーム形成

最後は予防です。
健康管理・生活習慣改善・予防接種などで病気を防ぎます。
問題が起きにくい状態を作ることが、長期的には一番効きます。

組織で言えば、人材育成、チームビルディング、心理的安全性、仕組みづくりなどです。

学ぶことの例:
・コーチング
・フィードバック
・チームビルディング
・心理的安全性

まとめ

医療モデルで考えると、マネージャーの役割は次の8つに整理できます。

・状態把握
・サイン(兆候)
・問題診断
・意思決定
・問題解決
・実行手段
・実行管理
・人材育成/チーム形成

マネジメントの仕事は、チームの状態を観察し、問題を診断し、解決策を決め、実行し、改善し、問題が起きにくいチームを作ること。
こう整理してみると、何を学ぶべきかも決めやすくなると思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました