私が所属しているチームは、以前うまく機能していませんでした。
それぞれが自分の判断で動き、価値観が合わないメンバーへの攻撃的な態度や陰口が日常的にありました。雰囲気は悪く、仕事の質も上がらない。そういう状態が続いていました。
しかし今は、以前と比べてまとまってきています。
何が変わったのか。
振り返ってみると、チェスター・バーナードが提唱した「組織の3要素」を知り、日々の関わり方を見直したことが大きかったと感じています。
特に、1on1や日常の対話の中で「共通目的・貢献意欲・コミュニケーション」を意識して実践したことが、チームに変化をもたらしました。
今回は、当時の状況と私がやったことを、バーナードの3要素に沿って整理してみます。
バーナードの3要素とは何か
チェスター・バーナードは、組織が機能するために必要な要素を3つ挙げています。
共通目的
メンバー全員が向かう方向を共有していることです。
「何のためにこのチームは存在するのか」が全員にわかっている状態です。
貢献意欲
メンバーがチームに対して何かを提供しようとする意志を持っていることです。
指示されてやるのではなく、自分から動こうとする状態です。
コミュニケーション
目的と意欲をつなぐための情報共有と対話です。
これがなければ、共通目的も貢献意欲も機能しません。
この3つが揃って初めて、組織は組織として動きます。
逆に言えば、どれか一つが欠けるだけでチームは崩れます。
以前のチームで何が起きていたか
以前のチームには、3要素が揃っていませんでした。
まず、共通目的がはっきりしていませんでした。
全員がそれぞれの判断で動いていて、チームとして向かう方向が揃っていなかったと思います。
その状態では、貢献意欲も生まれにくくなります。
向かう方向が共有されていない中では、自分から動こうという気持ちも出にくい。
「チームのために何かをしよう」と思える土台が弱かったのだと思います。
そして、コミュニケーションも機能していませんでした。
情報の共有不足があったり、必要なことが人によって伝わっていなかったり。
対話も少なく、それぞれの価値観や考え方を知らないまま仕事が進んでいた状態でした。
その結果、価値観が合わない相手に対して攻撃的な態度になったり、陰口が出たりすることもありました。
チームというより、同じ場所にいる個人の集まりに近かったと思います。
3要素は互いに連動しています。
一つが欠ければ、残りも崩れていく。
当時のチームは、まさにそういう状態でした。
実際にやったこと
チームが変わるきっかけになったのは、1on1を定期的に実施したことでした。
業務の話ではなく、例えば次のような質問をしました。
・どんな職場にしていきたいか
・大切にしている価値観は何か
・チームの中で担えると思う役割、逆に苦手な役割は何か
・メンバーの良いところ、改善した方がいいところは何か
これを全員に聞いたうえで、会社のMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)とも照らし合わせました。
意識したのは、「それぞれの価値観を、MVVという共通の軸に接続すること」です。
全員が同じ価値観を持つ必要はありません。
ただ、MVVという共通目的の中で、自分の価値観を満たせる場所があると感じてもらうことが必要でした。
その後、各メンバーの価値観をチーム内でシェアしました。
「この人はこういうことを大切にしている」が見えると、価値観が違う相手への見方が少し変わります。
攻撃ではなく、理解の入り口になる。
チームに起きた変化
今のチームは以前と比べて、攻撃的な空気や陰口はほぼなくなりました。
バーナードの3要素を意識しながら、1on1を定期的に実施するようにしてから、少しずつ変わってきたと思っています。
ただ、すべてのチームにそのまま当てはまるとは限りません。
それでも、チームのことで困っているなら、
「共通目的・貢献意欲・コミュニケーション」のどこが弱いのかを見直すだけでも、状況が整理しやすくなると思います。
私自身も、1on1の聞き方や進め方はまだ試行錯誤しています。
今後も、日常の関わりの中で意識していきたいと思っています。
まとめ
チームが機能しないとき、
原因は誰か一人の性格や能力ではなく、
組織として必要な要素が欠けていることにあるのかもしれません。
バーナードの3要素で言えば、
・共通目的
・貢献意欲
・コミュニケーション
このどれが弱っているのかを見直すだけでも、
状況は整理しやすくなると思います。
もしメンバーの価値観を聞いたことがないなら、
一人からでも試してみてください。
業務の話ではなく、
「どんな職場にしていきたいか」を聞いてみる。
そのあとに、
「そのために何ができそう?」と一言足してみる。
まずは、対話のきっかけを作る。
それだけでも、チームの見え方が変わることがあります。


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