他人の言動に振り回されて、イライラしてしまうことがあります。
「あの人がやってくれない」
「なんでそうなるんだ」
そう思っている間は、頭の中が「相手が悪い」で埋まっています。
そして結局、相手の行動次第で自分の気分が決まってしまう。
一方で、「これは自分の責任だ」と考える自責思考でいるときのほうが、気持ちが乱れにくい。
自分ができることに意識を戻せるからです。
今回は、自責思考がメンタルを安定させる理由と、実際にどう考えればいいのかを整理します。
他人のせいにすると、感情が不安定になる
他人にイライラしているとき、頭の中にはこういう前提が入りやすくなります。
「相手が変われば、自分は楽になる」
「相手がちゃんとやってくれれば、問題は解決する」
この状態は、相手の行動次第で自分の気分が上下しやすい状態です。
相手が変わらなければ、イライラも終わりません。
つまり、感情のハンドルを相手に渡してしまっている。
自分の機嫌が、相手の反応待ちになっている。
だから不安定になりやすいのだと思います。
ここで問題なのは、相手を変えるのは簡単ではないということです。
結果として、自分の中にストレスだけが溜まっていきます。
自責で考えると、感情が安定しやすい
「自責思考」と聞くと、
「全部自分が悪いと思うこと」や「抱え込むこと」を想像するかもしれません。
でも、ここで言いたい自責思考はそれとは違います。
自責思考は、自分がコントロールできる範囲に意識を戻すということです。
相手が動くかどうかは相手の領域。
そこに意識を向け続けていても、自分が消耗します。
一方で、
- 自分はどう伝えるか
- 自分は何を準備するか
- 自分はどこまで関わるか
など、自分が動ける範囲に集中できると、状況がすぐに変わらなくても気持ちが荒れにくくなります。
自分の中に選べる部分が残るからです。
内的統制という考え方
心理学では、物事の原因やコントロールの感覚をどこに置くか、という考え方があります。
自分の行動で変えられると捉える状態を「内的統制」、
他人や環境で決まると捉える状態を「外的統制」と呼びます。
外的統制に寄るほど、気分は状況に左右されやすくなります。
相手が動かない、環境が変わらない。そうなると、自分では何もできないまま消耗します。
一方、内的統制に戻すと、やることが整理されます。
- 次はどう伝えるか
- どこを改善するか
- 何を優先するか
内的統制で考えると、「次に同じことを繰り返さないために、自分は何を変えられるか」に意識が向きます。
他人や周りを責めてイライラするよりも、自分の改善点に戻れるので成長しやすい。
また、他責にしない姿勢は周りからも好意的に受け止められやすく、結果的に人間関係のストレスも増えにくいと思います。
ストレスコーピングとの関係
ストレス対処の考え方に「ストレスコーピング」という言葉があります。
これは、ストレスを感じたときにどう対処するか、という整理です。
コーピングにはいくつか種類がありますが、その中に「問題焦点型コーピング」があります。
ストレスの原因(ストレッサー)に対して、直接手を打って状況を変えようとする方法です。
つらい状態から抜け出すには、気持ちの整理も大事です。
ただ同時に、「状況を少しでも動かせる手段」を持っているかどうかで、回復のしやすさは変わります。
問題焦点型コーピングのメリットは、
自分ができる範囲でストレッサーに手を打つことで、成果が分かりやすく、意欲が向上しやすいことです。
自責思考は、「自分ができること」に戻すという意味で、問題焦点型コーピングに近い面があるのだと思います。
自責思考の注意点
自責思考は、他人に振り回されにくくなる反面、行きすぎると「全部自分で背負う」に寄ります。
- 自分が動けば早いから、とりあえず自分でやってしまう
- 誰かがやらないときに、結局自分が回収してしまう
- 「自分の責任」と考え続けて、休めなくなる
これだと、メンタルは安定するどころか、別の形で削れていきます。
自責思考は、自分がコントロールできる範囲に意識を戻すということです。
ただし「自分が全部やる」という意味ではありません。コントロールの仕方(任せる・仕組みにする)も含めて自分で選ぶ、ということです。
自分ができることに集中する。
でも、できるからといって全部自分でやる必要はありません。
「抱え込まない線引き」については、こちらで整理しました。
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まとめ
他人の言動にイライラしているときは、たいてい頭の中が「相手が悪い」で埋まっています。
でもそれは、相手がどう動くかに自分の気分を預けている状態です。
自責思考の良さは、相手を変えようとする前に、自分が選べる部分に意識を戻せるところにあります。
結果として、イライラを長引かせず、次の一手を選びやすくなります。
ただし、自責思考は「全部自分で背負う」ことではありません。
自分で改善できる部分に集中しつつ、抱え込みにならない線引きも必要です。
まずは今日、何か引っかかる出来事があったら一度だけ考えてみてください。
「これは自分が選ぶことできる問題か?」と。
その問いを挟むだけで、気持ちの乱れ方は変わってきます。

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