管理職のやりがいとは何か|無限の樹形図で考えた「影響の連鎖」

マネジメント

管理職になると、現場で働いていた時のように分かりやすい成果が見えにくくなります。

自分が動けばその場で問題が解決する、という仕事ではなくなるからです。
誰かに伝えても、すぐに変わるとは限らない。
むしろ変わらないことの方が多い。
変わったとしても、それが自分の影響なのか分かりにくい。

だから「自分は役に立てているのか」と感じづらくなるのだと思います。

無限の樹形図という考え方

昔読んだ『最上の名医』という漫画で、「無限の樹形図」という言葉を知りました。

小児医療の現場で、一人の子どもの命を救うことは、その子の未来だけでなく、子孫や次の世代にまで影響していく。
その影響は、樹形図のように広がっていく、という考え方です。

当時の私は、その話を他人事として読んでいました。
まだ社会人になったばかりで、人に影響を与える機会も少なく、自分ごととして捉えていなかったからです。

管理職になって気づいた「影響の連鎖」

管理職になりたてで悩んでいる後輩と話す機会がありました。

そのとき私が伝えたのは、
チームを良くしようとするときほど、1on1のような「一対一で話す時間」が必要になる、ということです。

いきなり全体を変えようとすると、空回りすることがあります。
まずは一人の話を聞いて、その人が何を大切にしているのかを知る。
そこから少しずつ関わり方を変えていく方が、結果的にチームは動きやすい。

その場で何かが劇的に変わったわけではありません。
でも、こういう話が後輩の中に残って実践していけば、私が直接関わらなくても後輩のチームは成長していくかもしれない。
そう考えたときに、影響は目の前だけで終わらないのだと思いました。

その感覚が、昔漫画で読んだ「無限の樹形図」と重なりました。

伝えることの価値

仏教に「法施(ほうせ)」という言葉があります。
物を与えるよりも、考え方や教えを伝えることが尊い、という考え方です。

仏教の文脈とは違いますが、似た構造はあると思いました。

管理職として、考え方を言葉にして伝える。
自分が直接手を動かすのではなく、誰かが判断できるように支える。

その積み重ねが、あとからチームを動かしていく。
そしてその影響は、次の人へ、さらに次の人へと広がっていく。

管理職のやりがいは、そういうところにあると考えています。

まとめ

管理職の仕事は、現場のように分かりやすい成果が見えにくいです。
だから、手応えがなくて苦しくなることもあります。

でも最近、管理職のやりがいは別のところにあるのだと思うようになりました。

自分が伝えた考え方や関わり方が、相手の中に残る。
そしてその人が、また別の誰かに同じように関わっていく。
影響は、次の人へ、さらに次の人へと広がっていく。

こういう連鎖を想像すると、責任の重さも感じます。
自分の言葉や態度が、相手の判断や行動に残るかもしれないからです。

ただ同時に、それだけの影響を持てる立場にいるのは貴重だとも感じます。
自分の関わりが、誰かが成長する一因になって、その人がまた次の誰かを支えていく。そう考えると、正直ワクワクします。
だから私は、管理職を続けていきたいと思っています。

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