管理職になったばかりの頃、
「チームをどう動かせばいいのか分からない」
と感じることがありました。
問題が起きたとき、
・その人を注意するべきなのか
・ルールを作るべきなのか
・自分が動いて解決するべきなのか
何から手をつければいいのか分からない。
最初はそう感じていました。
現場では経験を積めばできることが増えていきます。
しかしマネジメントは、
何を学べばいいのかさえ分からないことがあります。
そんなとき、
それまで看護師として患者を見てきた視点を、
チームにも当てはめて考えてみました。
チームを「患者」として考えてみる
マネジメントについて考えるとき、
チームを一人の患者として考えてみると分かりやすいと思います。
もしチームを患者だとすると、
チームで起きるトラブルは「症状」として見ることができます。
例えば、
・ミスが増える
・必要な物品がそろっていない
・チームの雰囲気が悪くなる
こうした出来事は、
患者で言う発熱や痛みのような症状に近いものです。
つまり、私たちが普段「問題」と呼んでいるものは、
チームという患者に現れている一つの症状と考えることもできます。
マネジメントは対症療法になりやすい
チームで問題が起きたとき、
その出来事に対してすぐに対策を取ろうとすることがあります。
例えば、
・ミスが起きたから注意をする
・同じことが起きないようにルールを作る
・管理職が自分で対応してしまう
こうした対応は、一見すると問題に対処しているように見えます。
以前、必要な物品がそろっていないというトラブルが起きたことがありました。
そのときの対策として、
・物品に不足がないかチェックリストを作る
・ダブルチェックをする
といった方法を取りました。
しかし、忙しいとチェックリストを使わなくなったり、
慣れてくると確認を省いてしまったりすることもあります。
また、ダブルチェックをするために誰かを探す必要があり、
それ自体が負担になることもありました。
病院で言えば、
発熱している患者にとりあえず解熱剤を出している状態に少し似ているのだと思います。
必要なのは「診断」
病院では、発熱している患者がいたとしても、
すぐに解熱剤を出すだけで終わることはあまりありません。
まずは診察を行い、必要に応じて検査をして、
その発熱がなぜ起きているのか原因を探します。
原因が感染なのか、脱水なのか、炎症なのかによって、
必要な治療は変わります。
例えば、脱水が原因で発熱している場合、
解熱剤だけでは十分な改善が期待できないこともあります。
その場合は水分補給や点滴など、
原因に合わせた対応が必要になります。
さらに、同じ薬でも患者の状態によって投与方法は変わります。
食事や水分が取れている患者なら経口薬でも問題ありませんが、
飲み込みが難しい状態であれば点滴や注射を選ぶこともあります。
つまり病院では、
症状だけを見て対応するのではなく、
原因や患者の状態に合わせて治療や方法を選びます。
問題をどこに置くかで対策は変わる
チームの問題も、症状だけを見て対応するとズレることがあります。
注意やルールといった対策を取っても、
それが問題の原因に届いていなければ、適切な対策にはなりません。
例えば、
・情報が届いていない
・役割が曖昧
・業務量が偏っている
・手順が人によって違う
こうした背景がある場合、
注意やルールだけでは状況が変わらないことがあります。
このとき大事になるのは、
「何を問題として扱うか」を決めることです。
言い換えると、イシュー(問題設定)です。
表に見えている出来事を問題として扱うのか。
それとも、その背景にある原因を問題として扱うのか。
先ほどの「必要な物品がそろっていない」という事例で考えると、
問題は「物品がそろっていないこと」ではなく、「補充が後回しになりやすい流れ」でした。
原因として考えられたのは、
必要物品のうちの一つが別の部屋に置いてあり、
「あとで取りに行こう」と思って、そのまま忘れてしまうことです。
そのため、その物品の置き場所を、
他の物品の近くに配置しました。
チームで問題が起きたときは
「どんな対策をするか」より先に
「なぜそれが起きているのか」を考える視点が必要になります。
そしてこれは、マネージャーとして
身につけておきたい力の一つなのだと思います。
まとめ
チームで問題が起きたときは、
いきなり対策を増やす前に、見方を一段階だけ変えると整理しやすくなります。
ポイントは、「何をするか」より先に、
原因を一つに決めつけず、候補を出すことです。
原因の候補が見えれば、自然とやるべきことが見えてきます。
対症療法で終わらせず、
まずは原因を見る。
その順番だけで、整理しやすくなると思います。

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