信頼関係は自己開示から始まる|弱さを見せる勇気とジョハリの窓

マネジメント

信頼関係はどうすれば築けるのでしょうか。

思いやりや誠実さが大切なのは、きっと間違いありません。

でも私は、もう一つ大事なことがあると思っています。

それは、弱さを見せることです。

弱さを見せることには、
抵抗があるかもしれません。

「頼りなく見えるのではないか。」
「評価が下がるのではないか。」

そう思って、隠してしまう。

私もそうでした。

でも今は、弱さを見せることは自分の評価が下がるのではなく、
むしろ信頼の入口なのかもしれないと考えています。

今回は、ジョハリの窓という考え方を手がかりに、
自己開示と信頼関係について整理してみます。

弱さを見せるとはどういうことか

心理学に「ジョハリの窓」という考え方があります。

自分という存在を、四つの領域に分けて考えるものです。

大きく分けると、こうなります。
• 開放の窓:自分も他人も知っている自分
• 盲点の窓:自分は気づいていないが、他人は知っている自分
• 秘密の窓:自分は知っているが、他人には見せていない自分
• 未知の窓:自分も他人もまだ知らない自分

この中で「弱さを見せる」というのは、
秘密の窓にあるものを開放の窓へ移すこと。

つまり、自分の中で分かっていながら隠している部分を
表に出すことです。

苦手なこと。
不安に感じていること。
うまくできないこと。

それを表に出す。

それが、信頼関係の入口なのかもしれません。

 

なぜ弱さを見せるのは難しいのか

弱さを表に出すことが大切だと分かっていても、
実際にはなかなかできませんでした。

私もそうです。

私は人前で話すのは得意ではありません。
急に意見を求められるのも苦手です。

でも経験年数が上がり、役職がつくと、
そういう場面は増えていきます。

「できる人」でいなければいけない。
そんな気持ちがどこかにありました。

苦手を見せると、頼りなく思われるのではないか。
評価が下がるのではないか。

上手にできる人と比べて、
どうして自分はあんなふうにできないのだろうと
考えたこともあります。
できない自分を、どこかで否定していたのだと思います。

でも今振り返ると、
問題は弱さや苦手意識そのものではなく、
それを“弱み”としてしか見ていなかったことだと感じます。

弱みと言われるものは、
自分の特徴のひとつにすぎません。

そう捉え直せたとき、
少しずつ受け入れられるようになりました。

自己開示が難しいのは、
他人が怖いからというよりも、
自分の中で否定している部分があるからなのだと思います。

自分で受け入れられていないものを、
他人に表に出すことはできません。

強いマネージャーとは何だろう

弱さを“特徴”として捉え直してから、
私はこう考えるようになりました。

強いマネージャーとは、何だろうか。

瞬発力があり、その場で的確に判断できる人。
人前で堂々と話せる人。
迷いなくチームを引っ張る人。

そういう姿を、
「強い」と呼ぶことが多いのかもしれません。

でも、それは一つのタイプにすぎません。

私は、じっくり考えてから話したいタイプです。
急に意見を求められると、考える時間がほしくなります。

以前は、それを克服しなければいけないと思っていました。

マネージャーなのだから、
その場で即答できるようにならなければいけない、と。

もちろん、努力は必要です。
でも、無理に自分の特性を否定してまで変わる必要はないと思うようになりました。

それも自分の一つの特徴だと認識すれば、
どう向き合い、どう工夫するかというアプローチは変えられます。

例えば、事前に論点を共有してもらう。
会議では一度持ち帰る選択肢を持つ。
考える時間が必要だと伝えておく。

そうした工夫をするほうが、
無理に自分を変えようとするよりも、
ストレスがありません。

そしてそのほうが、
結果的に落ち着いて考えられ、
より生産的で、質の高い判断ができていると感じています。

強く見える人も、
きっと別の弱さを持っています。

「強いマネージャー」という理想像は、
周りからそう見えているだけなのかもしれません。

マネージャーにも、いろいろな形がある。
ならば、自分に合った形でマネジメントしてもいいのではないでしょうか。

まとめ

正直に言うと、
弱さを隠して、できる人のように振る舞おうとしていた時期はしんどかったです。

その場でうまく話せる人を見て、
「自分もああならなきゃいけない」と思っていました。

でも、無理に演じても長くは続きません。
疲れるし、どこかでボロが出る。

それよりも、
自分はじっくり考えるタイプだと認めて、
苦手なことは苦手だと伝えたほうが、
結果的にうまく回るようになりました。

弱さは、なくすものではなく、
扱い方を知るものなのかもしれません。

完璧なマネージャーになる必要はない。
強く見せる必要もない。
自分に合った形で関わっていけばいい。

ジョハリの窓でいう「開放の窓」は、
こうして少しずつ広がっていくのだと思います。

信頼関係は、
強さを見せることからではなく、
自己開示から始まる。

等身大の自分を出すことは、
勇気がいります。

でも、その一歩が
関係性を変えるきっかけになるのだと思います。

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