平常心の作り方|不安に振り回されないメンタルの整え方

実践ログ

今の社会はストレス社会だと言われています。

私は看護師として働いていますが、厳しい先輩との関わりや人間関係に悩むこともあり、さらに人の命に関わる責任もあるため、不安や緊張はつきものです。

不安や緊張があると、本来の力が出せなくなることがあります。
頭では分かっているのに、心と体がうまくついてこない。

メンタルの強さや安定は、性格や気持ちの問題だと思っていました。

しかし『人生は楽しいかい』を読んで、考え方が変わりました。

メンタルを安定させることは、才能ではなく、習得できる技術なのかもしれません。

今回は、平常心を保つための技術について考えてみます。
そのきっかけになったのが、ある問いでした。

 

人生は楽しいかいと問われて

主人公は物語の冒頭で、電車の中で出会ったロシア人のゲオに「人生は楽しいかい」と問われます。

しかし、その問いに即答できませんでした。

もし自分が同じ問いを受けたら、迷わず「楽しい」と言えるだろうか。

仕事のストレス。
管理職としてのプレッシャー。

私も、即答できないかもしれません。

物語は、そんな問いから始まります。

 

メンタルは“強くする”ものではない

物語では、主人公がロシア人のゲオからシステマという身体技法を学んでいきます。

そこで教えられるのは、メンタルを強くする方法ではありませんでした。

強くなるのではなく、整えるという発想です。

私もこれまで、メンタルは強くするものだと思っていました。

不安に打ち勝つ。
緊張を押さえ込む。
気合いで乗り切る。

けれど正直、私は根性論のようなものがあまり得意ではありません。自分はメンタルが強いタイプではないと思っているからです。

だからこそ、強くなるのではなく、整えるという考え方は腑に落ちました。

 

整えるとはどういうことか

整えるとは、平常心でいることなのだと思いました。

平常心とは、ポジティブでもネガティブでもなく、物事をありのままに見る状態のことです。

人はどうしても、嫌な出来事が強く印象に残ります。
何か嫌なことがあると、その日全体を悪い一日だったと感じてしまう。

本書では、そんなときに「良かったことに目を向ける」ことが紹介されていました。

ポジティブシンキングとは違います。ネガティブに傾いた視点を、ニュートラルな位置に戻すための作業です。

本書ではそれを、居酒屋のメニューに例えていました。

どちらかに視点が傾き、片面しか見えていなければ、そこに書いてある料理しかないように感じてしまいます。しかし、反対側にもメニューはあります。

両面が見えてはじめて、全体が見える。

整えるというのは、その両面が見える状態に戻すことなのだと思いました。

 

体から整える

システマでまず教えられるのは、呼吸です。

緊張すると、呼吸は浅くなります。
強いストレスや不安を感じているとき、無意識に体が硬くなり、呼吸が止まっていることもあります。

私も、緊張する場面では呼吸が浅くなっていることに気づきました。

だからこそ、意識して呼吸を整えてみました。
鼻から吸い、口からゆっくり吐く。しっかり吐き切る。

そのとき、背中が丸まっていると深く呼吸することはできません。呼吸しやすい姿勢をとることも、整えるための大事な要素です。

緊張しているときほど、体は閉じていきます。
メンタルは体に表れます。だから、体を整えることがメンタルを整えることにつながるのだと思いました。

呼吸と同じくらい印象に残ったのが、「力む」という考え方でした。

スポーツでも「力を抜いてリラックスしろ」と言われることがあります。けれど実際には、そう言われるほど余計に力が入ってしまう。

私も趣味でテニスをしますが、大事な場面で「リラックスしよう」と思っても、逆に体が固くなり、ミスをしてしまうことがあります。

システマでは、いきなりリラックスを目指すのではなく、まず一度、全身に力を入れます。
息を吸いながら体を固め、吐きながら一気に力を抜く。
力を抜くよりも、力を入れるほうが簡単です。だからこそ、一度しっかり力んでから抜く。

そうすると、自分がどこに無意識の力を入れていたのかが分かります。どこに力が入っているか分からなければ、抜こうとしても抜けません。

私もやってみると、肩や首に常に力が入っていることに気づきました。

全身をしっかり力ませ、吐く息とともに解放する。それを繰り返すことで、体は少しずつゆるんでいきます。

 

最悪を想定する

もう一つ印象に残ったのが、「最悪を想定する」という考え方でした。

不安や心配事があると、人は現実から目を背けたくなります。できるだけ考えないようにしたり、「きっと大丈夫」と自分に言い聞かせたりする。

でも、考えないようにしていても、頭の片隅にはずっと残っています。その状態が続くと、集中力も落ちていきます。

以前、脳の疲労についての記事を書きましたが、解決していない問題を考え続けること自体が、脳にとっては大きな負荷になります。

だからこそ、本書で示されていた考え方は印象的でした。

最悪の事態を想定し、そこまで起きたらどうするかを考える。

私は看護師として働いていますが、急変や予期せぬ出来事はゼロにはできません。

だからこそ、最悪の状況を想定していなければ、いざというときに動けなくなります。

頭の中でぼんやり不安を抱えているだけでは、余計に焦るだけです。

でも、最悪を具体的に想定しておけば、実際に何かが起きても「最悪よりはいい」と思える。その分だけ、少し余裕が生まれます。

その余裕がある状態こそが、平常心に近いのかもしれません。

 

まとめ

本書を読んで、もっとゲオのように人生を楽しみたい。そう思いました。
些細なことでも楽しみ、良かったことに気づけるように。

平常心で物事を見られていないと、必要以上に悲観的になったり、ネガティブに傾いてしまう。私もそうです。

でも世の中には、楽しそうに仕事に取り組み、生きている人たちがいます。そのようになるのは私には難しいと思っていました。

でも、よく考えてみると、あの人たちだけが特別な人生を歩んでいるわけではないのかもしれません。同じように悩み、不安もあるはずです。

違うのは、出来事そのものではなく、向き合い方なのかもしれない。

出来事自体は選べないかもしれませんが、どう受け取るかは自分で選べる。そのためには、平常心でいる必要がある。

平常心を保つというのは、強くなることでも、無理に前向きになることでもない。出来事をありのままに見て、必要以上に自分を追い込まないこと。

リード文でも書きましたが、私は生と死を意識する場面に立ち会うことがあります。そのたびに思うのは、自分が死ぬときに後悔するような生き方はしたくないということです。

「仕事のために」「誰かのために」それを言い訳にして、自分の人生を後回しにしていないか。

平常心を保つというのは、ちゃんと生きるための土台なのだと思いました。

人生は楽しいかい。

今の私は、まだ即答できません。

でも、いつか迷わず「はい」と言えるように、できることを一つずつ積み重ねていきたいと思います。

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