私たちは1日に、一体どれほどの「意思決定」を下しているでしょうか。
朝、何を着るかといった小さなことから、
仕事での重要な判断、人生に関わる選択まで。
毎日は、決断の連続です。
しかし私は、その多くから無意識に逃げていました。
「検討します」
この言葉を、
決断を先延ばしにするための都合のいい逃げ道として、
何度も使ってきた気がします。
安宅和人さんの著書
『パーフェクトな意思決定』は、
そんな自分の姿勢を静かに、でも確実に突きつけてくる一冊でした。
正直に言うと、読んでいて何度も耳が痛くなりました。
本書で語られるのは、
「決めないこと」が私たちに与える誘惑と負担についてです。
決断を保留にしている間、
私たちはその未完了のタスクをずっと頭の片隅に置き続けています。
スマホで言えば、
バックグラウンドで重たいアプリが起動し続けているような状態です。
本書では、
入ってくる情報を
次の3つの箱に分けて考えることを提案しています。
・その場で判断できるものは、即決する
・判断に必要な情報が足りないものは、「情報不足」と認識する
・判断にある程度の時間軸が必要なものは、「期限」を先に決める
大切なのは、
「とりあえず保留」という状態を作らないことです。
読んでいて、自分の日常の行動を振り返りました。
例えば、依頼された仕事をすぐに着手できないまま、
「あとでやろう」と思って
後回しにしてしまうことがあります。
判断に必要な情報が足りないわけでもない。
期限が決まっていないわけでもない。
それでも、手をつけないままにしている仕事が、
ずっと頭の片隅に残り続ける。
正直、やっていないこと自体が常に気になっていて、
それが一番のストレスになっていました。
それでも、決断にはどうしても
「失敗への恐怖」がつきまといます。
私自身、会議で意見があっても、
「的外れだったらどうしよう」と考えてしまい、
結局、何も言えずに終わったことが何度もありました。
あとから振り返って、
「あえて言わなかっただけだ」と
自分に言い訳をする。
本書では、意思決定には論理で詰められる部分と、
どうしても不確実な部分が残ると書かれています。
100%正しい選択が存在しない世界で
最後に必要になるのは
「勇気」なのだと。
とはいえ、勇気はいつでも簡単に出せるものではありません。
では、その勇気はどうやって持てばいいのか。
本書が提案しているのは、
「小さい決断」という考え方です。
いきなり大きな決断をしようとするから、
身動きが取れなくなる。
そうではなく、
「まずは一週間だけ試してみる」
「小さな範囲で導入してみる」。
失敗してもダメージが少ない形で、
決断を重ねていく。
意思決定は一度で完璧にやるものではなく、
数をこなして精度を
上げていくものなのだと思います。
失敗を「エラー」ではなく、
次の判断のためのデータとして扱う。
そう考えると、
決断のハードルは少し下がる気がしました。

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